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FAQ(官能検査・官能評価・味覚テストなど)

【目次】

Q 官能評価データにつかうRのパッケージにはどのようなものがありますか?

Q 「R」の全パッケージをインストールする方法は?

Q FactoMineRとは何ですか?

Q tempRとは何ですか?

Q 「R仲介法」とは

Q 3桁ランダムコード

Q SensoMineRとは何ですか?

Q Nappingとは何ですか?


Q 官能検査とは何ですか?

Q 『官能検査』と『感応検査』ではどちらが正しい表記ですか?

Q 味覚テストとは何ですか?

Q 官能評価で使う評価用語とはどんなものですか?

Q 全口腔法とは?

Q 配偶法(Matching Test)とは?


官能評価データにつかうRのパッケージにはどのようなものがありますか?

フリーウェアのRには様々なパッケージがありますが、官能評価向けのパッケージも他の分野に比べると少ないですがあります。
官能評価で有名なパッケージは下記の3つです。
まず最初に入れておくべきパッケージは「SensoMineR」です。様々な手法に対応しており、またバンドルされているFactoMineRも多変量解析パッケージとして活躍します。
2点試験法や3点試験法以外の識別法の解析をしたい場合は「sensR」をお勧めします。テトラッドや2対5点試験法にも対応しており、信号検出理論(SDT)による解析も可能です。
そして近年人気の時系列手法TDSやTCATAのデータを解析したい方は「tempR」を入れましょう。trajectoriesプロットやブートストラップ法など機能が満載です。

弊社ではこれら3つのパッケージを「官能評価の3大Rパッケージ」と勝手に名付けております。

次に、関連するパッケージでは下記のインストールをお勧めしています。

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「R」の全パッケージをインストールする方法は

今すぐに全てのパッケージをインストールするには下記のスクリプトを実行します。

#今すぐ全てのパッケージをインストール
>pkg.lst<-available.packages()
>nrow(pkg.lst) #パッケージ数の確認
>install.packages(pkg.lst[ ,1])

もし、全てのパッケージをダウンロードするだけの場合は、下記のようになります。

#全てのパッケージをダウンロードする
>pkg.lst<-available.packages()
>nrow(pkg.lst) #パッケージ数の確認
>download.packages(pkg.lst[ ,1], destdir="保存先フォルダパス", type="win.binary")

※destdirには保存先のフォルダパスを指定します。
※Windows環境では、パス表記を\\で区切ります。(例: C:\\Users\\myname\\Documents\\)

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「R仲介法」とは

「R仲介法」とは、テイストテクノロジー社が提唱しているフリーウェアRの簡単な使い方です。Excelの操作を基本とし、Excelで処理できない機能(多変量解析など)をRで行います。 「R仲介法」では、操作者はExcelとR間のデータの受け渡し方法「3つの基本操作」を習得するだけで、Rを使った多変量解析ができるようになります。


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3桁ランダムコード

3桁ランダムコードとは「297」や「859」などの数値を無作為に並べたコードです。官能評価では提示したサンプル(商品)につけられたコードによって影響があることが知られています。これをコードバイアスといいます。コードバイアスの例としては下記のようなものがあります。

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Napping®とは何ですか?

Nappingとは、商品サンプルの類似性に基づいて2次元マップ上にサンプルを配置してプロダクトマップを作成する手法です。
ホリスティック法(Holistic)とも呼ばれ、投影マッピング法(Projcetive Mapping)も同様の方法です。


【ブログ】FIZZユーザーも必見!Napping®データをSensoMineRで解析

【ブログ】nappingとは


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官能検査とは何ですか?

官能検査とは、ヒトの感覚器官を使って行う検査のことを言います。官能検査という言葉は、日本の官能検査において重要な役割を果たした大蔵省醸造試験所(現 独立行政法人種類総合研究所)において利き酒審査をこう呼んでいたことから、一般にも浸透していったようです。官能検査のほかには官能試験とも呼ばれていました。

2004年には14年ぶりにJISの改訂(制定は1990年)が行われ、官能評価分析または官能評価という表現となりました。これは単なる測定や試験というところから一連のシステムとして捕らえるよう意図されたものです。

一般に食品などで行われるというイメージが強いですが、化粧品や自動車、繊維・服飾など多方面で利用されています。大雑把に言えば、五感(視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚)が刺激を受けるものであれば全て官能評価の評価対象になるといえます。しかし、近年は感覚量のみならず心理量を測ることも官能評価と呼ぶ場合があり、その垣根は明確ではなくなってきています。しかし、さまざまな分野でクロスボーダーな取り組みが行われていることを考えれば、定義にこだわる必要性も薄れてきていると思います。

官能検査は品質管理の分野で発展してきた経緯がありますが、分析機器などの発展に伴い一部の品質検査はヒトから器械に移行してきました。しかしながら未だ分析機器では代替出来ないことが多く、また企業における官能評価技術者の退職や、技術者の育成が十分とは言えないため、官能評価技術の必要性は高まる一方です。

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『官能検査』と『感応検査』ではどちらが正しい表記ですか?

JISでは『官能』と表記しています。

実際のところはどうかというと、企業の方とのやり取りしている限りにおいてはやはり『官能』の方が多く用いられているようです。

ネット上ではどうでしょうか。
ためしに検索サイト(Google)で各用語を検索してみました(2006/1/7)。その結果を下記に示します。

”官能検査”:”感応検査”=116,000(81.2%):26,900(18.8%)(計142、900件)
”官能評価”:”感応評価”=245,000(73.9%):86,700(26.1%)(計331、700件)

これを見る限り、ネット上においても『感応』より『官能』のほうが多く用いられているようです。

『感応』は国語辞典では仏語とされ「人に対する仏の働きかけと、それを受け止める人の心。また、信心が神仏に通じること」だそうです。第2義としても「外界からの刺激によって心が深く感じ動くこと」と記されており、心に焦点を当てた言葉のようです。

一方の『官能』は官能小説などと同じ表記である為、誤解を招くことも少なくありません。

言語学者ではないので表記について詳しいことは分かりませんが、ご質問の表記の正しさはあまり重要ではないように思います。もし、気になるのであれば日本語表記よりも英語表記を理解しておくことの方が役立つでしょう。

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味覚テストとは何ですか?

「味覚テスト」といっても2つの意味合いで用いられているようです。

1つは、『”味覚”を用いた”テスト”』という意味の「味覚テスト」。もう1つは、『”味覚”を測る”テスト”』という意味の「味覚テスト」です。前者はモノを測るのが目的で、後者はヒトを測るのが目的です。

前者は、官能評価(検査)と同義と考えてよさそうです。一般に、食品メーカーやアカデミック関係の方は「官能評価(検査)」と呼び、マーケティング関係者や一般の方は「味覚テスト」と呼んでいます。私見ですが、「官能評価」と呼ぶ方が厳密な実験計画に基づいて行われている場合が多いようです。前者の意味合いでの「味覚テスト」とは、「味覚に限定した官能評価」といえるでしょう。

後者は、ヒトの味覚を測るテストのことです。味覚を測る目的には大きく2つあります。1つは官能評価の評価員の能力を管理するためです。サンプルを評価する前に実施されることが多く、評価員の選抜や能力把握に用いられます。評価員の選抜・管理を目的とした味覚テストには「TT式味覚検査キット」(5味)があります。
もう1つは医療目的です。味覚障害の発見や改善効果を計るなど、医学的な目的で実施されます。味覚障害などの医療目的には、濾紙ディスク法による「テーストディスク」(4味)、塩味のみの「ソルセイブ」、電流刺激による「電気味覚計TR-06」などがあります。

前者の意味合いではすでに官能評価という言葉があるので、今後は後者の意味合い、つまり人間の味覚を測定するという意味で用いられることが増えてくるでしょう。


【ブログ】味覚テストと官能評価


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官能評価で使う評価用語とはどんなものですか?

評価用語とは、パネル(評価員)が評価をする際の評価項目(測る対象の属性・特徴)を言葉にしたものです。

食品でいうと、「甘味」や「苦味」などの基本的な用語や、「コク」「なめらかさ」など抽象度の高いもの、「○○の様な」といった比喩的な表現などがあります。専門評価員になると物質名・原材料名を使うこともあります。

評価用語は、原則として評価物に合わせて取捨選択することが大切です。
しかし、現実には評価毎に評価用語を収集・選択することは難しいでしょう。
そこで通常は評価用語を蓄積し、データベース化していきます。このデータベースを用語集とか辞書といって官能評価の大切なノウハウとなります。

評価用語は、測る対象を定義する大切なものです。

たとえば、実際のモノを測ってもらう状況を考えてみましょう。

A:「そこのダンボールを測ってください」
B:「そこのダンボールの高さを測ってください」

どちらが適切な指示でしょうか?
当然Bですね。
Aの表現ではダンボールの何を測るのか明確ではありません。指示を受けた人によって奥行きだったり、高さだったりとばらばらになってしまいます。

適切な測定をするためには、測る対象が明確になっていなければなりません。

この『高さ』にあたるのが評価用語(もしくは属性、Attribute)なのです。

ただし、現実には『高さ』のようにシンプルではありません。サンプルを使ったり、ディスカッションを通じて評価用語についての共有化を進めていく必要があります。

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全口腔法とは?


味覚検査法の一つで、呈味物質を口の中全部を使って味を判断する方法です。

味覚検査の対象部位が広く、普段の味わい方に近いため、実用的な味覚を検査するのに適しています。
一方、部位ごとに検査をしないため、味覚障害の原因特定を目的とした検査には向きません。

医療用では、味覚のレベル判定のほか、障害があった場合に原因を特定し、治療方法を決定することが重要となります。そのため医療用で用いられる『ろ紙ディスク法』や『電気式検査』は部位ごとに検査をします。


全口腔法は自然な食物摂取に近いため、食品の評価や食品の評価をする評価員の検査に用いられます。

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配偶法(Matching Test)とは?

配偶法とは、同じ試料からなる2組の試料を提示し、同じ試料を組み合わせて対を構成する方法です。

同じ試料同士を組み合わせて正しい対をどれだけ作れるかによって評価者の能力(識別能力)を調べることができます。


次は7種類の試料による配偶法の例です。まず、7種類の試料を2組つくり、一方をばらばらに配置します(両方をばらばらにすることもありますが、ここでは一方を固定とし、もう一方をばらばらに配置します)。




この2組の試料から対を作っていきます。下図は7種類のうち、3対を作ったところです。



これを7種すべて行います。そして正しい組を何組作れたかで能力を判定します。

これが配偶法(Matching Test)です。

ところで味覚テストで用いられる場合、1組目(配偶先)がないことがあります。記憶ラベルと提示された試料の対を作る広義の配偶法といえるでしょう。

例えば、Aを甘味、Bを塩味、Cを酸味、Dを苦味、Eをうまみとします。提示された試料を各味に当てはめていくというやり方です。



この場合、識別能力のほかに味を記憶しているかどうかが問われてきます。
しばしば見られるのが「うま味」という味(刺激)を記憶していないため、最初に説明した2組の配偶法では当てられるのに、配偶先のない本例では当てられないことがあります。これは識別能力はあるが、刺激が記憶として定着していないために起こる間違いです。

一般に利き酒などでは後者の方法(配偶先を提示しない)を取るため、いくら味覚が良くても味の記憶が少ない人には当てられないことが多いのです。

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